パジャマとテディベアと私

子持ち30代会社員(女)の毎日を綴ります。

親孝行というもの

年末~元旦の義実家に続き、3日から我が実家に行き、一泊して帰ってきた。

 

義理の実家は飛行機が必要なレベルの遠方たが、私の実家は都内(私の住まいも都内)であり、帰ろうと思えばいつでも帰りやすい。だが、結婚前は、それほど実家との深い関わりはなかった。

 

というのも私は結婚前、もっと言うと子供のときから自分の家が苦手だったのだ。

自分の思う常識は説明なしで相手に分かってもらえる、かつ自分と違う常識はこの世に存在しないと思い込んでいる母親。年齢が離れていて、私にはない愛嬌と気遣いがあり、その点で親に非難され続けたため引け目を感じざるを得ない姉。昔は多忙で家にいるときは大抵寝ている、聡明だけど影の薄い父親。書いていると家族をこんな表現で紹介する自分が嫌になってくるけど...昔から彼らをこんな風にしか思えず(決して嫌いではないのだけど、関わりづらさがあった)、高校生の頃からは早く一人暮らししたいと思い続けていた。実際実家を出てからも、独り身のときはあまり帰省することも連絡することもなかった。頻繁に親に色々相談をしたり電話をしたりしている友人たちを羨ましく思ったこともあった。

 

でも結婚して子を持ったこと、あと、数年前に親の老いを色濃く感じた出来事があったことで、実家への考え方が変わってきた。警戒せずに素直に話せば、相手はきちんと思いやりを返してくれる。そういうことに気づけたのだ。密かに、自分は家族に嫌われているのではと思っていたこともあったし、実際そうだったのかもしれない。真実は分からない。ただ、実家と疎遠にした時間が私にとっては功を奏し、うまいつきあい方を獲得できたと思う。

 

今回の帰省で、天真爛漫にふるまう私の子を見つめる両親の目は完全に祖父母のそれだったし、姉も明るく場を盛り上げてくれ、子のわがままを全て叶えてくれた。おじいちゃんとして孫が欲しがる牛乳をカップに注ぐ、そんな父の手が震えていたことに深まる老いを感じたりもしたけれど、総じて穏やかな気持ちで過ごせた帰省であった。

 

親孝行の形は色々あれど、私の両親にとっては、度々会って他愛もない時間を過ごすことが一番なのかもしれない。そんなことを思いながら、いただいたお年玉を整理する夜である。